小説 野球キングへの道
野球キングへの道 第4話 決裂

1回を終えて1対2。しかし2回と3回の攻守を終え1対2のまま4回の攻撃へ・・・
そろそろ点をとろうとする焦りからか、この回も無失点に終わる。続いて怪王の攻撃。先頭打者がヒットを打つと盗塁と送りバントで1アウトランナー3塁に。しかし球太は冷静だった。自分には誇れる投球術がある。変化球を混ぜれば大丈夫だ。そう考え、キャッチャーのサインを無視し、内角低めに決まるスライダー。しかし金属音が響く。ただ、打球に勢いはない。外野もほとんど動かない。
「よし、打ち取った!」
そう心で叫んだ。が、次の瞬間、信じられない光景が球太の目に入った。ドスンッ。スタンドにボールが跳ねた。相手ベンチが歓喜に沸く。スコアボードを見た。1対3。確かにそう書いてある。杉本が寄ってきた。
「どうしてサインを無視したんだ?」
「るせぇ!さっさと戻れ!邪魔だ!」
球太は相当苛立っていた。
「なんだよ!お前が悪いんだろ!?」
「何ぃ!」
「もう、いいさ、勝手にしろ。お前にはがっかりだよ」
そう言い残し、監督と少し話した後、グランドから姿を消した。ピッチャーとキャッチャーの選手交代が言い渡され、球太も家に帰って頭を冷やせと言われ、グランドを後にした。

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