君と僕明るめ短編

クッキー2

題名で分かると思いますが、クッキーの続きです。



1ヶ月前、オレは祐希にチョコマフィンをあげた。
一応オレたちは恋人同士なわけだし、あげたら祐希は喜ぶかなーと思ってあげてみた。

材料費が前のクッキーのおかげでなくなってしまったので、市販で買ったものになってしまったのだけれど祐希はものすごく喜んでくれた。
うれしすぎたのか、ちゃっかりオレの唇にキスを落とされて、おかげで夜も大変なバレンタインデーだった。




「ゆーうたっ」

部屋でいつも通り課題を進めていると、祐希がオレに抱きついてきた。
口調からして今日はすごく機嫌がいいらしい。

「何?」

「これ、お返し」

振り向いて見ると、青いリボンで結ばれた手のひらサイズの袋を渡された。
手の感覚からして、おそらく中には数枚のクッキーが入っているのだろう。
祐希って、いつも女の子からもらってもお返しなんてしない子だから、ちょっとびっくり。

「ありがとう」

素直にそう言って、中身を覗く。
綺麗な丸いバタークッキーが数枚入っていた。
一つ食べると、さくさくしていておいしい。

「おいしい?」

「うん。…祐希も食べる?」

ものすごく食べたそうな顔をしていたので聞いてみると、いい我慢するって言われた。

「オレはマフィンもらったもん」

「ふふふ、別に我慢しなくてもいいのに」

「意地です」

そうですかと返せば、そうですと言って、祐希はクッキーから目をそらす。

来年は春の家でこっそり手作りチョコを作りたいなと思った。


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