君と僕明るめ短編

ある幼少時代(悠祐)



「おかあさあん……ゆうたは…?」

夏休みのある日、遅く起きたボクは部屋にいないゆうたを探していた。
ぴよんとはねた髪もそのままにして、リビングでボクたちのナフキンを作っているおかあさんにゆうたの居場所を聞いた。

「ゆうたちゃんなら外に遊びに行ったけど……」

「え?」

遊びに行っちゃったの?
ボクを置いて?

そう思ったらなんだか悲しくて、ばたばたと走って、部屋に閉じこもった。
ついでに布団の中に入って籠城した。

ふんだ、何だよゆうたったら。
いくらボクが寝てたからって、自分だけ遊びに出かけちゃうなんてひどいよ。
もうゆうたが謝ってくるまで絶対ここから出ないもんね!





……

………

…………

ゆうた、いつ帰ってくるんだろう?
布団を被りながら再びおかあさんの所へ行って聞くと、お昼頃には帰ってくるらしい。
そっかと返して、ボクはまた部屋へ戻り、ベッドの中へ。
帰ってくるまでずっとこうしてよう。



そわ

そわそわ

そわそわもぞもぞ

そわそわもぞもぞごろごろ

「もうお昼かな…」

布団を被ったままおかあさんの所へ行って、お昼になった?と聞いたら、まだ5分しか経ってないわよ。と言われた。
後何分なの?と聞いたら2時間くらいかしら、だから120分ね。と時計を見て言った。
もう一眠りすればいいかな。
いいや、お昼寝して待ってよう。

「おかあさんおやすみ」

「あら、また寝ちゃダメよ。もうお昼なんだから」

「…………」

仕方がないから布団を被ってベッドの上で待ってた。
特に何をするでもなく、ぼーっとゆうたを待っていた。


さみしい
ゆうた





−−−−−−−−−


「ただいまー」

「あらゆうたちゃんお帰り」

「おかあさんゆうきは?」

「ゆうきちゃんなら、部屋にいるわよ。もうお昼だから、ゆうきちゃんも呼んできてくれる?」

「はーい」

という声が聞こえてきた。
ああやっとだ。
やっとゆうたが帰ってきた。

どうしようかな。
ゆうたが部屋に入ってきたらすぐに飛びついて抱きしめてもらおうか、それともこのまま布団を被ってゆうたを困らせるか…。

「ゆうき、ただいま。まだ寝てるの?」

「…………」

「……ほら起きなよゆうき」

ゆさゆさ

「……………」

「ふー…先にお昼食べてるね」

「待ってゆうた!」

(あー出てきた出てきた)

ゆうたは結構あっさりしていた。
ボクのことをたった一回だけ起こしてそれでダメならじゃあねって。
今日のゆうたはボクに冷たいような気がする。

「ゆうたのばか」

「……………」

「……怒った?ごめんってー」

「ふーん……」

「ごめんて、嘘だよ。ゆうたは頭いいよ」

「ゆうきは嘘つきだね」

「ごめんったら!怒んないでよ…」


それからボクはしばらくゆうたに謝り続けた。
ゆうたがボクで遊んでるとも知らずに。



×
−−−−−−−−
補足説明として、遊びに行ったのは素。
怒ったフリをしたのは、ゆうきの気持ちを知ってて意地悪したくなっただけ。
ちょっぴりお茶目なゆうたくん。

[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ