リクエスト小説

内緒だよ(祐悠+松)※



先日、先輩に彼女がいることが分かった。
顔とかよく見えなかったけど、先輩がすごくその人のことが好きなのは分かった。

(でも、ちょっと意外だったな…)

先輩は女性の方が苦手だと思ったんだけど…好きになったらそういうのは関係ないのかな?

今日ボクは、うっかり宿題を忘れてしまって補習をさせられていた。
人が少なくなった校舎は、小さな物音さえ響き渡る。

それで、補習の帰り、変な音を聞いたんだ。


「…………ー、…ー」

なんだろ、この音。
結構近い、所から聞こえてくる。
音のする方向へ足を向けてみると、だんだん大きくなる音。

「ぁ……ーん……ぁぁ…」

………もしかして…これって、その…。

あれ…かな?ボクの予想だとそういうことしている声に聞こえるんだけど…。

どうしよう、なんか。
ボクは今までそういうの見たことないし、ちょっとだけならいいかな…なんて思ってしまった。
どんどんその音のほうに近づく。

「ぁ、ぁ、ぅ…ふぁ…」

ここは…社会科準備室?
ここから声が聞こえる…。

音を立てずにそぉっと…開くと…。


(っ!!!!あれって…)

「ゆうきぃ!…あ、ぁ、ま、て…」

「何、言ってんの。激しいの、好きな、くせに」

「ぁあっ!あ、あ…」

除くと、ボクを背にして先輩が誰かを机に押し倒してそういうことをしていた。

(先輩だ…てことは、彼女と!?)

なんだかものすごくいやらしい音がその部屋いっぱいに響き渡っていて、ボクは見ているだけなのに恥ずかしい気持ちになった。

(でも、あの人って…)

少し、いやかなり疑問に思ったこと。
それは、その押し倒されている人はどう見たって男だったこと。

しかもボクの目がおかしくなければ、その男の人は先輩のお兄さんである浅羽悠太先輩だと思う。

ボクはしばらくぱちぱちと目をしばだたせて呆然としていた。

胸の膨らみがあきらかになくて、男子特有の少し硬そうな体で……。

「ゆうきっ、イ、っちゃ、も、だめえっ!!」

「まだ我慢、してっ」

「んん、むり、も、がまんできな、あ、」

そおっとまたボクはドアを閉めた。

てくてくと、来た道を戻る。
そのうちぱたぱたと駆け足になって、最後はばたばたと全速力で校内を出て、顔を熱くさせながらわーわー叫んで校門を出た。


(ボーイズラブでっ!親近相姦でっ!!)

おいしい!
と思ったボクは腐男子なんだと自覚した。



あとがき→

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