悠太が好きで 好きすぎて、オレはおかしくなってしまったようだ。 今はまだ表には出してないけど、いつ糸が切れるか分からない。 オレだけを見てほしい オレ以外は触れないでほしい、しゃべらないでほしい オレのことだけを考えてほしい オレのことが好きだと言ってほしい 愛してほしい そういった欲で頭がいっぱいになる。 もう悠太がお母さんと話しているだけで嫉妬してしまう。 春や要たちも例外ではない。 他人なら、すぐに息の根を止めてやりたいと思ってしまう。 そして、その矛先は悠太にも向く。 悠太を閉じ込めてしまえば誰にも触れられずにすむ。 悠太の口を塞いでしまえば、オレ以外の名前を聞かなくてすむ。 悠太の手を失くしてしまえば、オレ以外の頭を撫でずにすむ。 悠太の足を切り落としてしまえば、誰のもとへもいけなくなる。 でも、そんなことしたら悠太は死んでしまうし、オレの欲も満たせない。 悠太にはずっと健康で、笑ってて、幸せになってほしい。 だけど、悠太とオレがもしそういう関係になってしまったら、悠太の幸せは保証できない。 兄弟で男だから、悠太は表面上では平然と装ってるけど、心は悩み続けるのだろうと思う。 それが分かっているから、オレはこの想いを伝えない。 ていうか悠太がオレの告白を受けるはずがない。 だって悠太はオレのお兄ちゃんで、男だから。 断られた瞬間に、オレの我慢していた糸がぷつりと切れてしまうのも分かっていた。 その後がどうなってしまうのかも。 本能のままに悠太を傷つけてしまうだろう。 欲を満たすように、悠太を殺してしまうかもしれない。 そんなのは嫌だ悠太が死んだらオレはどうなってしまうか。 けどこのままじゃいけないのも分かってる。 分かってるけど…… 「悠太、今日部活？」 「ん？そうだよ」 「じゃあ待ってるね」 「そう？分かった。教室で待っててよ」 「うん」 オレにはどうすることもできない × [先頭ﾍﾟｰｼﾞを開く] [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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