ビリ、と破り捨てられた手紙。 ドアの隙間からこっそり伺って見ていれば、レオナさんは目だけ通してそれを破り捨てた。 レオナさんのことが好き。 でもきっとレオナさんはオレのこと好きじゃない。 もしもオレが女だったなら、気持ちを伝えることもできたのだろうか…と…。 何度も考えて、でもそんなことに頭を使うくらいならと、勇気を振り絞って作った恋文。 気持ち悪がられたくなかったから、オレだとバレないように学校のパソコンを使って手紙を書いた。 こっそりコンピューター室に忍び込んで、慣れないながらもタイピングして、こっそり印刷して、サムさんのところで買ったそこそこ値がはる手紙の封筒に入れて、王宮から来た手紙にまぜるようにレオナさんの部屋の机の上に放り込んだ。 読んでくれたらいい、どんな反応をしてくれるのかも気になった。 レオナさんはすぐにその手紙を取ってくれた。 あまりにもその手紙が見慣れないものだったからだろう。 レオナさんにとっては王宮からの手紙が見慣れたもので、それ以外の粗末な手紙は見慣れないものだ。 読んでくれた、うれしかった。 ドアの隙間から様子を見ていたから、その後ろ姿しか見れなかったのは残念だったけど、ほんのりと胸があたたかくなる。 ビリ、と鳴った音に、思わず肩がはねた。 そのまま床に捨てて、ごろりといつものようにベッドへ横になってしまった。 無残に破られたオレの手紙。 きゅうっと胸が締め付けられて、目頭が熱くなった。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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